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ある日のエイブルコンピュータの出来事

二十三時五十九分の怪

こんな事がありました。社員Nの証言。

会社の3・4Fには使われて無い部屋がいくつかあるので聞いてみた。
N「一部屋もらってもいいですか」
社長「どうぞどうぞ」
快い返事をもらったので、Nは部屋をもらうことにした。

4Fの一番奥の、一人で作業するのに手ごろな4畳ほどの和室。Nは、漆喰を塗ってステキな洋室に改造しようと思った。LANも引っ張ってもらったから通信設備もバッチリ、仕事もできる。

毎日、仕事が終わってからリフォームの日々。土壁を夜な夜な削る。電気は通っているが照明器具がないので、懐中電灯のほのかな明かりの中、ひたすら削る。夜半にさしかかり静まったビルの中、ゴーリゴーリ音だけが響く。

夢中になる内、時刻は0時に近づいていた。(今日はこの辺にして、そろそろ帰るか…。)帰り支度をして、3Fは怖いから駆け足で通過する。階段から2Fの廊下に出る角を曲がる。誰もいないと思っていた2Fの廊下中ほどに、後ろ姿の人影があった。

人影は振り返る。(あ、H君…)

H君は、ちょっと猫背でひょろっと細身で色白に眼鏡が、なんだか妖しく、奇妙な話に登場しそうな風貌の人物だった。また彼は当時、出張中が多かった為、その時間会社にいる可能性は極めて低く、わけがわからない。

「お疲れ様です、じゃあ。」
とだけ言うと、踵を返し、彼は去って行った。
ぽつんと取り残されるN。
時計は23:59を差していた。

こんな時間になぜ?
その時の彼の行動は、今でも謎のままである――。

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